主な登場人物:悪友とわし。クラスで一番のスケベ「歩く生殖器」とあだなされる利根君。彼はキャラクターの割に字が達筆なので、清書及び題字担当。特技は無いが、大金持ちのおぼっちゃん高橋。会計を担当。そして、ブラスバンド部の山田君、ブターシャが・・・いた。 |
読み終わるまでに、10分ぐらいかかった。読み終えたとき・・・皆、寝ていた。わしが「終わったで」というと、悪友が目を覚ました。驚いたことに,当の山田君も寝ていた。ブタ―シャはわざとらしく「ここはどこ?」といった。「いいすぎや」とわしは思ったが、口には出さなかった。一同は重い沈黙に包まれた。作品がギャグではないだけに「気遣い」があった。悪友はつぶやいた。「つぎいこか」
うまいフォローだ。それ以外に何が言える?
しかし、その安堵は再び、悪夢に変わるのである。「じゃあ、俺のを」といって、またもやカバンの中をごそごそと探し始めたのは、上の人物紹介には出ていない少年で、その名を広岡君(もちろん仮名)という。彼は、他の皆より、若干大人びた印象である。と、いうのは、髭が濃いからである。そう・・・彼は、人より少しいろんなことが早過ぎて、ストレスの多い少年時代を過ごした男である。彼のこれまでの13年間の人生は、涙なしには語れない。なにしろ、彼のお蔭で、わしは救われたのだから。若干、脱線しよう。
時は、現時点(1978年)より3年ほど遡る。わしらはその頃、小学校6年生だった。その年齢の水泳の時間というのは、ある時期非常にナーバスな気分を呼ぶ。と、いうのも、あそこの毛が生え出す時期だからだ。今の子供はどうかしらんが、わしらのころは、あそこの毛というのは、まあ、大体中学ではえそろう感じだった。それがおよその平均だったろう。だが、もちろん、個人差があるから、早い子供は小五、小六で生え出してくる。で、わしはというと、小五で毛が生えたものだから、人より少し早めだったわけで、プールの時間は実に憂鬱だった。皆は全く、生えていない方が多かったからだ。去年、ちょろっと生えただけで「ちんげ男」呼ばわりされ、いじめられたやつのことを思うと、恥ずかしいを通り越して脅威ですらあった。わしは、水泳の前の日になると、必死でそれを抜いたり、「もしかしたら、ご本尊ごと剃ってしまうかも」という恐怖と戦いつつ、かみそりで剃ったものだ。あと、弟に小遣いの中から口留め料を渡していたのも、家族とは思えぬブルーな記憶である。で、小学校六年生のとき、わしと広岡君は同じクラスだった。背も高く、勉強も出来る人気者だった。それが、ある日の水泳の授業を境にえらいことになるのである。
そう。水泳の時間の前には、当然、着替えがある。わしは、剃っても抜いても生えてくる「ち○毛」をうらみつつ、必死で隠して、海パン(海水パンツのことね)に着替える。広岡君もおそらく思いは同じだったろう。だが、彼は詰めが甘かった。お約束といえば、お約束だが、ひもがゆるかったのだ。飛び込みの練習をしたとき、彼の人生を狂わす大きな出来事が起こってしまった。あの時のことは音声と共に思い出す。
「シュポッ」
・・・そんな音だった。海パンが宙を舞い、彼の局部が露出した。そして、さらに不幸なことに彼はそれに気づかず、必死で泳ぎつづけた。まあ、クロールはまだ、いい。25メータープールを足ついて往復するというメドレーで帰りはなんと・・・わしも、書いててつらいが、その、なんだ、「背泳ぎ」だったのだ!!そして、これが、とどめなのだが、その生え方たるや、尋常ではなく、すでに、
「ボウボウ」
だったのである!!
「毛えや、毛えや!!」とはやし立てる無慈悲なクラスメートたち。女子もキャーといいつつ思いきり見ていた。先生が慌てて飛び込む。しかし、広岡君は泳ぎが変にうまいため、追いつくのもしんどい。彼にはきっと、周囲の騒音が「きゃー、かっこいい、広岡君」と聞こえたことだろう。それは、彼がこれまで手にしていた歓声であった・・・。
ちょろっと2、3本というのは、大勢いたはずである。だが、ボウボウというのは、彼が初めてだった。彼は、そのあまりに強いインパクトにより、モテモテ男の座から失墜し、「ち○毛男」として、いじめられる運命に陥ったのである。だが、わしには、そんな心から彼を笑うことが出来なかった。実は、わしも、そのころ、
「ボウボウ」
だったからである。あいつがカミングアウトしていなければ、おそらくわしの毛が露見し、立場が変わっていただろう。わしは、彼の失敗により救われたのだ。彼は、以降、閉じこもりがちになり、ひとりで本を読みふけるようになった。中1のときはクラスが別だったが、「聖書」を読みふけっていたそうである。そして、今(1978年)は、なんと「資本論」を読んでいた・・・(実話だよん)。
さて、広岡君のヤマト3の構想やいかに!!(つづく)
PS.今回のは下品だけど、エロでないのはわかってね(^^)
今日はこれまで。「ヤマト3」の内容をめぐって、ブタ―シャVS亀吉が対決、するのは、後2回くらいあとになるでしょう。アニメFCの歴史がまた、1ページ・・・。「無限に広がるファンクラブ7」にご期待ください!! |
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