主な登場人物:悪友とわし。クラスで一番のスケベ「歩く生殖器」とあだなされる利根君。彼はキャラクターの割に字が達筆なので、清書及び題字担当。特技は無いが、大金持ちのおぼっちゃん高橋。会計を担当。さらに、ブラスバンド部の山田君、少し大人の広岡君、 ブターシャが・・・いた。 |
そして、悪友は、つぶやいた。「つぎいこか」。いよいよ、わしの番である。わしもやはり、カバンの中からごそごそとノートを取り出した。ファンクラブをつくると決めた瞬間から、やりたいと思っていたのがヤマト3であった。ロードショー別冊の「さらば宇宙戦艦ヤマト」のシナリオを参考に、シーンがどれくらいあれば150分で収まるな、とかマニアックなことに興味を持ち始めた頃だった。まあ、とやかく、言う前に披露しよう。わしは、自分で朗読した。タイトルは
宇宙戦艦ヤマト―星に祈るスターシャ― |
である。ここで、「お」とツッコミたいひとも大勢いるだろう。だが、それはも少しあとにしてくれ。
時に西暦2221年、地球は白色彗星に受けた傷からの復興の途について、20年の月日が過ぎていた。かつてのヤマト乗組員たちの生き残りもそれぞれ要職についていたが、そろそろ引退の時期も迎えていた。平和が続いていた。そんなある日のこと、太陽系外周艦隊の旗艦(太田健二郎艦長指揮)が謎のSOS通信を傍受し、地球防衛軍へ報告する。報告を受けた参謀たちの中にはかつての航海長島大介の姿があった。そのSOSとはなんとイスカンダルのスターシャからのものであった。メッセージは「イスカンダルが・・・・早く・・・・・」とだけ受信されていた。そして、不思議なことに報告をしてきた太田の艦隊そのものも消息をたってしまう。島参謀は原因究明の艦隊を太陽系外周に派遣しようと提案するが、防衛軍首脳部は、事故と片付けて一蹴する。島は、独自の調査を始めることにする。その過程で、南部重工業の生産した宇宙戦艦20隻が船籍もなくいずこともなく消え去っていることを知る。かつての同志南部を問い詰める島。南部は金に目が眩み、地球防衛軍の外宇宙侵攻用の艦隊用の艦船の製造を受注したことを白状する。復興の途上で実力を伸ばした地球連邦政府は、銀河系内の数少ない文明宇宙を征服し、外宇宙へその魔の手を広げていたのだ!人類の住める惑星は銀河系に数個しかないことから、大マゼラン星雲のイスカンダルも余命が少ないとはいえ、侵攻の対象となっていたのである。島は当然激怒した。だが、南部は、今の地球人類の繁栄は太陽圏のみならず、外宇宙の資源や労働力を背景に成り立っているといいわけするのであった。 |
気づいた人もいると思うが、これは再三このページでわしが激賞している「男たちの旅路」のベースがだいぶ入っているのである。島=鶴田浩二、と思ってくれ。南部とか相原は池辺良の役回り。シナリオでは、自分だけ生き残ったことを島が回想とともに後悔するシーンなどもいれた。これも山田太一が入っているのである。
「このままでいいのか」と島は悩む。外宇宙侵攻艦隊は、防衛軍のトップエリートが選抜して着任し、「聖なる艦隊」というニックネームが付されていた。そして、その艦隊は、かつて地球を救ったあの『ヤマト』型の最新鋭艦で構成されていた。 |
後に「Zガンダム」をみたときはびっくりした。
イスカンダルはきっと『聖なる艦隊』に襲われたのだ。それをSOSしたスターシャ。傍受した太田の艦隊は秘密を知ったため、消されたのだ・・・島はそう、推理した。真相をつかんだ島を地球防衛軍の密偵が付けねらう。南部はせめてもの罪滅ぼしにと、島をある戦艦の中にかくまう。その戦艦こそ・・・宇宙戦艦ヤマト二世、であった。そして、その中には、太田艦隊の生き残りの乗員たちが収容されていた。南部は、冥王星の留置場の管理人に賄賂を渡し、処刑直前の彼らを救い出したのだった。ただ、その中に太田はおらず、島は落胆した。だが、この「ヤマト2世」なら「聖なる艦隊」に打ち勝つことが出きるかもしれない。島は、乗組員を前にイスカンダルを救いに旅立とうと演説する。だが、一度、死ぬ目にあった乗組員たちは「聖なる艦隊」に勝てるとは到底思えず、シラケムードが漂うのであった。南部は島を慰める。政府に金の力であなたの安全は保障させるから、バカなことはするな、という。南部は、かつての同僚への同情から彼をかくまったが、地球の政策に反対しているわけではなかったのだ。 |
ルパン三世、の印象が強くて他に名前が思いつかなかった。恥ずかしい。今なら「ヤマトB型」とかするかな。それも、ださいか、もう。南部の性格設定がころころ変わるのはご愛嬌。
そんなある日、テレビに乗組員たちの家族の映像が映される。政府は、太田艦隊の失踪を事故とし、美談化してテレビ放映していたのだ。宇宙の平和のために父は、兄は、恋人は死んでいったのだ、と誇らしげに語る家族の映像をみて逆に正義感に目覚める乗組員たち。島は、南部に感謝しつつも、南部重工業の海底ドッグに眠る新型ヤマトを無断で発進させるのだった。南部は部下の報告で、それに気づくが、敢えて知らぬふりをする。島の指揮するヤマトは14万8千光年の旅についた。そのヤマト二世を待ち受ける新型アンドロメダ・・・! |
ノートにぎっしり書き込んだシナリオには、島の部下のひとりに「水谷豊」的青年を設定し、島のやり方を批判させるようなことを書いた。むろん、沖田と古代のように後に相互に理解する設定である。新型アンドロメダが出てくるのは、もろにその頃見ていた「ヤマト2」の影響である(というか、ぱくりですな、これは)。
次回は、ヤマト二世のデータ(これが、また、恥ずかしい)なども紹介しつつ、亀吉版「ヤマト3」のつづきを紹介したい。あ、今回は、ギャグ無くて、すまん(つづく)
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