こういう素直さは既に副長にも失われている・・・。

 わしは、かわいいふぐみの笑顔に乾杯しつつ、副長の変貌の歴史を、デザリアム本星のヤマトクルーのように振り返っていた。

 そして、料理は次々と運ばれてきた。焼き魚や、なべ。

 ビールと日本酒とワイン。

 皆、しこたま、のみ、食った。

 泥酔といっていい。 

 ふぐみが、途中、なんども、「ああ、これがふぐなんですね!!」と涙ながらに連呼して、周囲を凍りつかせたが、まあ、酒の座興と思えば他愛ない・・・(−−)。

 っていうか、可愛過ぎるぞ、ふぐみ!!

 わしは、さらに弾けまくるのだった・・・。

 

 かれこれするうちに30分、1時間が経過する。

 わしは、ちょっと、おしっこをしたくなって、立ちあがった。

 するとズボンのポケットから、あろうことか、ヤマトのキーホルダーがポロリと落ちてしまったのだ。

 すかさず、それを拾うふぐ子。

 ふぐ子の目が、きらーーーーーん と光った。

 「長田課長、これって何ですかあ」

 ふぐ子は、あざ笑うように、わしに尋ねる。

 ふぐ子の手には、わしの家の鍵がくっついたヤマトのキーホルダーが、ぶらさがっている。

 わしは・・・おしっこを我慢してその場に立ち尽くした。