とにもかくにも店に入る。

 店の中では怪しい民族音楽が流れていた。

 カウンターに座る一同。

 おしぼりが出される。

 下から照らし出すカウンターの中の女性の顔は、どう考えても老婆だった。

 老婆はカウンターの中から挨拶した。

 「わたし、ユキっていうねん。よろしくね♪(ウインク)」

 よりによって、「永遠の恋人〔(C)松本〕」ユキとは・・・。

 老婆は・・・ほとんど真赤なワンピースを着ていた。

 わしは、この光景を一生忘れないかもしれない(汗)

 呆然と見ているわしに、ユキが愛想を振ってくる。

 老婆「いいでしょ、このワンピース」

 亀吉「あ、いえ、なんというか、素敵ですね」

 老婆「還暦のお祝いに買ってもらったのよ〜」

 亀吉「・・・(汗)」

 森雪の企画書版の設定は確かに赤かったが、この赤いユキの強烈さはどうだ。どうだといわれても困るかもしれんが。

 ウインダムが、部長に「カラオケ出来るんでしょうねー?」と遠慮無しに尋ねる。

 「もちろんだよ〜ん」と部長。

 部長は、カウンターの中の老婆に目配せした。

 老婆は、カウンターの奥のくぐり戸の奥に一瞬消えて行く。

 そして・・・がちゃ、という音がした。何かスイッチが押されたらしい。