「やめろお」

 ウインダムだった。驚くように目を見開くふぐみ。

 「その娘だけは、やめろ」

 ウインダムは、連中を睨んだ。震えている。やがて、連中は、ウインダムを取り囲む。ふぐみの目に涙がたまっていく。

 わしは・・・財布をポケットから出そうとした。他に選択肢はない。わしが、ケンシロウみたいに強ければ話は別だが。しかし、べムラ−ゼがわしの手をぎゅっと握って、「だめだ」と目で合図した。

 そう。こういう時は沈着冷静に可能性を追求しなければならない。

 あいつらは、わしらを殴れない。殴ると本当の警察に踏み込まれる理由を与えるからだ。

 わしは、連中の大声の恫喝にビビリながら、耐えた。

 そのときだった・・・わしの背中でおぶさっている「そうかね部長」の体から奇妙な震動が伝わってきたのは・・・!