14.ガニメデ基地内調査分析室

スーパーガニメデ基地分析室

無数の計器がうごめく明るい部屋にコンソールがいくつかあって、白衣の科学者たちが着席し、計器をみたり、キーボードを叩いたり、作業をしている。

そのデスクのひとつにぼおっと他の科学者たちが働くのをみている初老の白人。

ロマンスグレーの似合う二枚目である。痩せている。

スーパー外惑星遺跡調査班長

調査班長、自席のパネルをみる。

統合軍長官の姿がある。

調査班長「そりゃ、誰だってエイリアンとは思わないさ。それに戦争が始まるとも思わない。思いたくもない。大統領はノーマルだよ・・・統合戦争が終わってから、10年経ってないんだからな」

パネルの中の統合軍司令長官、微笑する。

調査班長「実際、あんたの好きなブローブの調査を始めてからも、宇宙人が実際に攻めて来たわけじゃなし」

15.地球統合軍司令長官執務室

大統領執務室とさほど印象は変わらない。大きなデスク。

ラップトップ型の端末の画面に調査班長が映っている。

司令長官「おしゃべりはいい。結果が聞きたい。あのプレートにある文字の解析はできたのか、博士」

調査班長「できた。」

ラップトップ端末の画面中の調査班長、携帯データブックを取り出す。

16.ガニメデ基地調査分析室

携帯データブックの画面の文章を読み上げる。

調査班長我が名はガミラス。死と太陽の名において、この地を制す・・・

17.統合軍司令長官執務室

司令長官「・・・・」

18.宇宙空間

小惑星にめりこんだままの謎の物体・・・。

明滅している。

司令長官の声「この地を制す・・・か」

19.ガニメデ基地調査分析室

調査班長「字のスタイルが、古代エジプト文明の文字に酷似していた。さらに、外惑星の遺跡の言語とも共通点がある。解読は容易だった。だが、逆に、考古学マニアがいたずらで造ったプレートということもありうる」

ぽんと、自分のデスクの上に携帯データブックを置く。

調査班長「もっとも、学者としてのわしは、確信する」

調査班長、分析室内の端末パネルに目を遣り・・・パネルの中に映る司令長官を見つめる。

調査班長「これは、彼方からの『声』だとな」


  

PICTURE BY ヤマド