35.もがみ艦橋

山南「アンカー部がもうもちま(せん!)」

その声にかぶせるように

沖田「(叫ぶ)重力遮断!全艦、制動!!」

36.宇宙空間

岩盤に埋め込まれている反重力発生装置の光彩がぱっと消える。

輸送船は、艦首ノズルを噴射して、急ブレーキをかける。

瞬間、小惑星が、慣性に乗って、輸送船の輪のなかを突破して、突出する形になる。

それは放たれた弓矢のようだ。

小惑星、輸送船を残したまま、宇宙空間を突進していく。

小惑星の岩盤の崩壊(星間物質に洗われているというべきか)が進み、やがて、ペナントがむき出しになる。