73.もがみ通路
佐渡と山南がとぼとぼ歩いている。
佐渡「(歩きながら、前をみたまま)ごめんな」
山南、佐渡の方を向く。
苦笑している。
山南「素直だな」
佐渡、ややほぐれて微笑する。
佐渡「考えてみればさ、僕らは如月さんの何でも無いんだよな」
山南、うなづく。
佐渡「いいお友達ですら無いかもしれない」
山南「なんであんなに熱くなっちまったんだか。普通じゃないよな、俺ら」
佐渡「うん・・・僕たちの如月さんへの想いというのは、この異常な事態の生んだ『はしか』のようなものかもしれない。」