65.ガン・モ−リッツ機コクピット
スピーカーから坂本の声「聞こえるか、中尉」
モーリッツ「坂本少尉!」
坂本の声「このままじゃ、埒があかない。隊を分けて、半分は後方からの追撃艦を撃破しよう」
モーリッツ「なんだと?ミサイルはさっき全部撃ったじゃないか」
坂本の声「幸い敵艦は2隻だ。やれる。ポッドを全部射出したら、お前さん以外の機は反転して、敵を食い止める」
モーリッツ「(一瞬考えて)駄目だ。死ぬと分かりきった戦闘を命令するなんて僕には出来ない。隊長として提案を拒否します!」
別の声(男性)「(田舎ぽい口調)死ぬと決まったわけじゃねえさ。脱出装置で必ず生還するからよぉ、やらせてくんねえかな」
モーリッツ「小林・・・」
さらに別の声「ここまで来たんだ。ちゃんとやることやりたいじゃないか。そのために頑張れるなら、俺は」
モーリッツ、沈黙する。
坂本の声「いい句を詠むんだぞ、師匠」
モーリッツ「(叫ぶ)先輩!!みんな!!」
モーリッツ、コクピットの外を見る。
横を飛びすぎていくアイアンジャガー機内に軽く手を挙げている坂本が見える。
その姿がにじんでいく・・・。