1.宇宙空間

爆発する遊星爆弾。

その爆炎の中から、抜けてくる「もがみ」

2.ガミラス要塞母艦司令室

モニターに1の様子が映っている。

じっとみているシュルツ。

長髪、均整のとれた体・・・この時代のシュルツは外見的にまだ若い。

傍らのガンツ。後年、彼は太る。

しかし、現時点では小柄ながら、目つきのするどい青年士官である。

むしろ神経質といっていい雰囲気がある。

ガンツ「本星から輸送してきた遊星爆弾はあと40個あります」

シュルツ「もうこれ以上、遊星爆弾の無駄撃ちはできん。遊星爆弾による地球の環境浄化が進まねば、我がガミラスの命運が危うくなる・・・」

ガンツ「偵察した部隊の報告によりますと、地球は軍事力を第5惑星の衛星軌道付近に集結しつつあります」

モニター映像が切り替わり太陽系のモデルグラフィックになる。木星とそのそばにある衛星ガニメデにぼんやりとランプ表示が点る。

シュルツ「惑星と太陽の重力を考えた場合、どうしても通らねばならない回廊だからな。敵が防衛線を張るのは当然だ。だが、冥王星に生産と補給の拠点を築くにあたっては、まず、やつらの防衛線をさらに内側に封じ込める必要がある。そのために、今までの旅で温存してきたすべての物資を使って戦闘をする。決戦だ」

ガンツ「・・・司令」

シュルツ「我々はどのみち勝つ。しかし、早く確実に勝たねばならない。遊星爆弾40発を発射し、これに艦隊を護衛につけよう」

ガンツ「しかし、艦隊はマゼラン星雲からここまで長躯してまいりました。猿どもとの科学力には差があるとはいえ、油断は大敵です。機密保持のため今回の作戦では通常エンジンに換装作業をした上で、戦闘に臨む必要があります。特に、ワープエンジンは・・・」

シュルツ「何がいいたい?」

ガンツ「時間がかかります。遊星爆弾そのものも、より確実に地球に到達するためのコントロール機能の強化などが必要なことが今回の試射で分かりました。また、太陽圏内の気候条件のサンプルデータをもっと収集する必要もあります」

シュルツ「急がせろ」

そこに司令室の後方のドアがさっと開いて、ひとりの男のシルエットが逆行に浮かび上がる。