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トロイ トピック削除
投稿日 2004/05/25 (火) 00:40 投稿者 ぴよ

トロイトロイア戦争を描いたホメーロスの「イーリアス」をほぼ完全に映画化。
戦争の発端になったヘレネーの誘拐からトロイアの陥落までを描く。
主演:ブラッド・ピット(アキレウス)
エリック・バナ(ヘクトル)
オーランド・ブルーム(パリス)
ダイアン・クルーガー(ヘレネー)
ショーン・ビーン(オデュッセウス)
ピーター・オトゥール(プリアモス王)

 

 

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長尺をバランスで支える良作 削除
投稿日 2007/03/11 (日) 21:54 投稿者 長田亀吉

170分の長尺だが、最後までだれずに楽しめた。激しい戦闘シーン、幕間に流れるエーゲ海の美しい景色、そして確かな脚本と演技で構築される人間ドラマのバランスが良いがゆえである。人間と人間がぶつかり合いながら命のやり取りをしていた時代。トロイ、ギリシャ、それぞれの人間にスポットを当て人物に感情移入が出来ている分、例えばアキレスとヘクトルの決闘などいつの間にか固唾を呑んで見守ってしまう。ブラッド・ピットのアキレスは時代劇の中に現代劇の人が入ってきたような違和感が最初あったが、こういうアキレスもありだろう。また、今まで想像するしかなかったトロイの木馬を初めて映像で見られて感動した。これを機にモチーフとなった「イリアス」を久しぶりに読んでみたいと思った。良作である。

 
 
吹き替え版のススメ 削除
投稿日 2004/05/30 (日) 10:47 投稿者 エクスカリバー

そのうち字幕版も見に行くつもりではありますが、そうですか、そんなに誤訳があるんですか。うーん、悩んでしまふ・・・。
で、私は吹き替え版で見ましたが、ちょっと気になったのがオデッセウス役のショーン・ビーンの声を、大塚芳忠さんがアテていること。ショーン・ビーンといえば『ロード・オブ・ザ・リング』のボロミア、そして芳忠さんは『ロード〜』ではアラゴルンのヴィゴ・モーテンセンを担当しています。アラゴルンの声で喋るボロミア・・・・・・両作品を見ている人にとっては、なんとも複雑です(苦笑)。
パリス役のオーランド・ブルームは『ロード〜』『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』に続いて平川大輔さんでして、こちらはもう他の人が考えられないくらいになりつつあります。

http://roo.to/chaos/

 
 
多少ネタバレあります(というか古典なのでストーリーは公知かと思いますが…) 削除
投稿日 2004/05/25 (火) 01:31 投稿者 ぴよ

初日に見てきました。とにかくこの映画は大画面をオススメします。テレビでは勿体ない!ベン・ハーのようなスケールが壮大です。

前提として…私は大学生の頃から「イーリアス」が大好きで、アキレウスが主人公の漫画を描いていたほどハマっていました。
ですから、一般の方に比べて思い入れが過剰な傾向はあるかもしれません。多少割引してくださいね。

大変に良かったところ:
1 主要キャラクターの本質をよく把握した表現であること。
アキレウスは「俊足のアキレウス」「神々しいアキレウス」という名前がつくほど脚が早く、敏捷かつ精悍、加えて美形で見事な長い金髪を持った獅子のイメージの英雄です。
どうやってこの戦闘シーンを映画化するのかなあ、と思っていましたが、アキレウスの殺陣はホメロスを彷彿とさせる素晴らしさでした。スピードとパワー、そして優雅さ…。まさに女神の息子、という感じです。
対してヘクトールは「名馬の馴らし手ヘクトール」「きらめく大兜のヘクトール」という名前を持ち、乗馬に長けた責任感のある指揮官で、良き夫、良き父という役柄ですが、エリック・バナはまさにヘクトールそのものでした。
オーランド・ブルームは、弓の名手で女たらしのパリス役を好演してました(弓を使うからといって某エルフの王子様と比べる向きがありますが、キャラが全然違う、といいたいです。)
そしてアラビアのロレンスことピーター・オトゥールが老ブリアモス王を好演していました。さすが名優、お見事、という印象です。
オデュッセウス役のショーン・ビーンも、わざとらしさのない知将役が素敵でした。少しだけ真田さんちっくかも(笑)

2 スケールの大きい映像を、原作から受けるイメージを超えたリアルさと美しさで映像化していること。
1000隻を超えるギリシア船団の来襲、壮大なトロイアの都市や神殿と王宮、どうやって撮影したんだ、という印象の大戦闘シーン。
とにかく豪華で息をのみます。

3 原作のイマイチなところをうまくつじつま合わせしているところ。
原作では、アキレウスは自らのプライドをアガメムノンに傷つけられたために怒り、腹いせに「ギリシア軍のためには絶対に戦わない」と宣言します。
そのためにギリシアの船団はヘクトールにおそわれて焼き討ちにあい、全軍が壊滅しかかったところ、アキレウスの親友バトロクロスが見かねてアキレウスのふりをして救援に行き、返り討ちにあいます。
親友を殺されたアキレウスは復讐のために出陣し、ヘクトールを倒し、死体を引きずり回します。
…これで原作は終わります(厳密にはヘクトールの死体を返してあげるところまでですが。)
さらに、後続の古典作品によれば、アキレウスはトロイアのスカイア門前で、門の上からねらい打ちしたバリスの矢に当たって、あっヶなく死んでしまいます。
アキレウスの戦友で偉大な英雄、アイアースは、アキレウスの遺品の取り合いでオデュッセウスと喧嘩して立腹し、自殺してしまいます。
木馬の計でトロイアを滅ぼすのは、アキレウスの息子、ネオプトレモスです。
悪事の限りを尽くしたアガメムノンは、トロイアの財宝を手に入れて一応無事に帰国します。
戦争の元凶、浮気女のヘレネーは、ダンナのメネラ−オスともとのさやに戻って、何事もないかのように帰国します(…そんなのありか…)

…しかしこれじゃあ映画になりませんよね…。それに、悪人が栄えて善人が死に絶えるとは何事でしょうか。

ということで、本作では、アキレウスの性格が、より人間的になっています。
彼が戦いをやめるのは、肉体的にではなく精神的な意味で捕虜のブリーセーイスと恋に落ちたためです。
アキレウスは、母親で(本当は女神の)テティスから、「戦争で名声を得るが短い一生を終えるのと、無名だけれど愛する人とともに長生きするのとどちらを選ぶか」という選択を迫られていました(これは原作にもあります)
当然前者だ、と若いアキレウスは断言していたのですが、恋をするとともに、恋人との人生に意味を見いだすようになり、さらに、同じように他人の夫や父親である敵兵を惨殺することが辛くなり、戦いから身を引こうとする…
この解釈は、ホメロスや古代ギリシア的ではないと思うのですが、非常に納得のいくものでした。
その後、アキレウスは再び戦場に立ちますが、それは、親友(従兄弟という設定は異説だと思います…)のパトロクロスの死に激しい自責の念を感じたせいであり、そのため、ヘクトールを倒しても彼に達成感はなく、復讐のむなしさに涙することになります。
そして、最後のトロイア攻略戦(ここでアキレウスが生きていなくては映画的には話になりません)で、アキレウスは愛するブリーセーイスを救うために奮戦するのです。
こういう主人公なら、単なる「カンシャク持ちのプライド過剰野郎」、というそしりを受けることもなく、思う存分感情移入できますよね。
しかも、娯楽映画らしく、悪はきちんと滅びることになっているあたりも親切です。
このアキレウスの悲壮感漂う英雄像には、もともと全くブラッド・ピットのファンではなかった私も完全にしびれてしまいました。

それでは、イマイチなところ。
1 女優が美人でない
トロイのヘレン、といえば絶世の美女のはずが、ただの化粧の濃い外人、というイメージで(とほほ)
アキレウスの運命の恋人も、アミダラ女王の召使い役だった女優さんで、しかも同じ召使い役でもカリブの海賊のヒロインとは似ても似つかない地味顔。
ヘクトールの妻、貞淑な良妻賢母で鳴り響いたアンドロマケーは所帯やつればっちりですし、女神テティスは日焼けと小じわがイッパイの否かのオバサンです。
もうちょっと美人はいなかったんでしょうか…(涙)
男優に凄い人を集めすぎてギャラ不足かもしれません。

2 字幕が大嘘
翻訳がとってもいいかげんです。会話内容の2分の1くらいしか訳してません。
中でも一番許せないのは固有名詞の間違いです。
ブリーセーイス、というヒロインの名前は、「ブリセウスの女」という意味のギリシャ語で、「ブリセウス」では男の名前になってしまいますが、終始「ブリセウス」と表記。
英語の発音だって「ブリーセース!」といってるのに…
戦いの神様の名前だって、「アレース」「アレス」ということぐらい常識だと思うのですが、「アリエス」とは何事でしょうか(それじゃあ牡羊座だってば)
翻訳者は勉強不足を恥じるべきです。…ていうか、イーリアスぐらい読んでから翻訳しないんでしょうか…

3 パトロクロスのキャラが弱い
原作未読の方にわかりやすくご説明すると、アキレウスとパトロクロスの性格設定や人間関係は、外見も含めて銀河英雄伝説のラインハルトとジークそのままです(田中芳樹が激しく影響されたのだと思います。戦艦の名前に使っているぐらいですので…)
つまり、パトロクロスは「優しい人柄を誰からも愛されている。戦士としても実はアキレウスにひけをとらないほど強い。アキレウスより少し年上で、お守り役として幼い頃からいっしょに育った。過激なアキレウスをいさめる役割」
という人物です。そして、この二人の激しい友情は、どうかするとホモ疑惑をまねくほど熱いものである、ということなのですが…
…ところが、映画だと、最近いっしょに暮らし始めた年下のイトコのにいちゃんで、戦争経験もない初心者、ということなんですね。アキレウスが人間的になった分、そちらを引き立たせるためだとしても、この二人の熱い友情を楽しみに見に行った人には残念な出来です。
パトロクロスの俳優さんあんまり美形じゃないし(汗)

ということで、多少難点はありますが、個人的には満点をつけたい映画でした。
たぶんあと数回映画館に行って、DVDも買う予定です。

 
 
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