まず、ストーリーは観た後で思い直すと結構オーソドックスな話だったんだなと。愛が呪いを解くという…。途中はどっちにいくのかな、と思いましたが、オーソドックスな話をきっちりと見せる力量はさすがだなと思いました。鑑賞後のカタルシスもそこそこあったし、満足できました。
次に、ビジュアル面では、やはり、「城」の表現が面白く、最後まで飽きさせませんでした。メイキング観てないんですが、大変だったろうなあ、と思います。それ以外でものどかな風景やその逆の戦争の光景、いずれも大胆なディフォルメ、細部のこだわり、双方が気持ちよく混在し、終始贅沢な映像に浸ることが出来ました。動きもいい。
そして、音声に関してですが、倍賞さんの演技はおばあちゃん役の時は、すごく良かったです。しかし、少女に戻る時は、演技の良し悪し以前に現在の倍賞さんがオーバーラップしてしまう。これはきつかったです。どらえもんの以前のキャストでしずかちゃん役の人がそれなりのお年の方だったのですが、彼女の場合は顔出しをあまりされなかった。だから、声優さんの外見にとらわれずに観ることが出来た。しかし、倍賞さんは有名すぎました。演技そのものは「さくら」をイメージすれば決してかけ離れたものじゃないと思います。おばあちゃん役と別の人にするという選択肢を僕なら選ぶかな。
木村拓哉のハウルは、いろいろ云う人いるようですが、僕には納得の演技でした。彼は演技うまいと思う。
ただ、いわゆる声優さんと普通の俳優さん(あえて、こういう表現使います。全部俳優さんであり、役者さんであるということは分かってますが)が共演した時の不整合というか、どちらも個々に見ればきっちりと仕事してるんですが、パーツとしてかみ合わない、そんな印象は受けました。
音楽は、今回も非常に良かった。久石譲に外れなし!
トータルで申し上げるとDVD買ってよかったと思える作品でした。複数回の視聴に充分堪えるコンテンツだと思います。
でも、劇場で観ればもっと楽しかったんだろうなあと。