主人公が夢をあきらめずにサッカーの頂点を目指していく、いわば3部作の男性版シンデレラストーリー
貧しい国で生まれ育った主人公。彼は父親の言うことには逆らず、生きるため父親の仕事を手伝い、料理屋でバイトをして生活していた。そんな彼が、輝く時間を過ごせるのは、地元の小さなサッカークラブチームでの試合の一時だった。
これが日常・・・と毎日をすごしていた彼の前へ突然「元サッカー選手のスカウトマンだった」と名乗る人物が現れて、諦めかけていた彼の夢「プロサッカー選手になる」という思いが騒ぎ出す。
夢を追い求めようとする息子に父は言う
「人間には2種類しかいないんだ。豪邸に住む人間。もう1人はその庭で芝を刈る人間だ」と。
しかし、このスカウトマンを信じて、父の反対を押し切り祖母の愛情のおかげで遠い異国の地へ旅立つ主人公。
そして、試練と乗り越えるべき壁にぶち当たっていく!
その先に待ち構えるのは、得るものと同時に失うもの。そして人間愛。
この作品が訴えたいのは、夢は簡単には手に入らないが簡単に諦めるものではない。という事は大前提。
子は親の後姿を見て育つのだと強く感じた作品。
そしてどんな環境のなかでも自分が自分である事も訴えている。
サッカーというスポーツだけを見るという見方をしなければ、単純なストーリーだけに入り込みやすい作品
-FIFA全面協力。レアルマドリード・マンチェスターユナイテッド他サッカー業界からを丸ごと後方支援を受けて仕上げられた作品だけあって。試合会場・観客は本番を使用。臨場感すごいと感じた。
フットボールカフェでの風景や人々の表情。交わす言葉も作品にのめり込ませる。
「シャツ2枚とボール1つで出来るものなんだよ」というスカウトマン。
この言葉の通りどんな環境でも出来るスポーツ。子供の時から慣れ親しんでいるスポーツ。
それだけに奇麗事だけではすまされない。
貧困地域ゆえに出る思いは「プロになれば良い暮らしが出来る」という思い。
だから、皆が抱くプロサッカー選手への夢。
けれど、なれる確率は半端でなく低い。
だからこそ、わが街からプロ選手が出たら皆がわが事の様に真剣に応援してくれる。
そんな人々がフットボールカフェで選手に夢を託す光景が見られるのだ。
観ている私もこのカフェで応援している人々の中の1人の様な気分になった。
国の誇り。街の誇り。自身の誇り。誇れるものがある喜び。
身近な「夢」と 「サッカー」(サッカーは日本人においては、少し違う観点だと思いますが)
W杯開催時期に合わせた公開も、good!
これを見た後に他国のサポーターの応援姿を見ると、日本との大きな違いが良くわかる。
他国のサッカー文化をかいま見る良い機会だと思いました。
今回は3部作のうちの1部なので、これからのストーリーに期待したい。