ヒッチコックの名作中の名作という評判の本作だが、僕は今まで観たことが無かった。別に避けていたわけでなく、その時々に他の作品に興味がわいていただけのことである。
しかし、今は少し後悔している。もっと早くこの作品を見ておけばよかった、と。アクション、シナリオ、ラブストーリー、さまざまな要素が絡み合い、最後まで飽きさせない映画になっている。
オープニングの映像からして、とても凝ったつくりで、客に見せたい、喜ばせたい、という気持ちが現れている。突然、人間違いで大犯罪に巻き込まれる主人公の男性。そして、その前に現れる謎の美女。どこまでも追ってくる殺し屋たち。舞台も大都会ニューヨークからシカゴの大平原等々めまぐるしく展開し、ロードムービーとしての完成度も高い。
個人的には、スペース1999のマーチン・ランドーが殺し屋役で登場していることが興味深い。演技も最高で、怜悧な悪役をしっかりと演じている。