もののけ姫以降のジブリの作品は,教訓的というか社会派というか,とにかくブキミだったり残酷だったりというものが多かったわけですが,原点回帰をめざしたというだけあり,今回の作品は「長靴をはいた猫」のような,ひたすら楽しい作品に仕上がっています。
この映画を理屈で見るといろいろと不条理なこともあるのですが,そこは無視して「わー!」「綺麗!」「楽しい!」という5歳視点で見ることをオススメします。
(そういう意味では「紅の豚」に近いというか…)
主人公の宗介くんは,ものすごくいじらしいというか,とにかく良い子です。声をアテている子役が天才的で,あの声を聞いているだけでウルウルくるぐらい(私がそれだけトシをとったということなのでしょうか…トホホ)
ポニョも声がむちゃくちゃ可愛い!第一声でやられました。2人とも10歳の子役というから末恐ろしいです。
ネット上では声優ではなく俳優などを使ったことに批判がうずまいていますが,見ていて全然気になりませんでした。
所ジョージは多少演技がヘタだったですが,もともとブキミな変人のマッドサイエンティスト役なのでかえってナチュラルというか…(苦笑)
可哀想,というシーンは皆無なのですが,いじらしくてウルウルと涙ぐむ箇所がたくさんありました。
小さい子は純粋に楽しめると思います。お子さんのいる方,超オススメです。
1点だけ難を言いたいのは,あんなにしつけの良い宗介くんが,なぜ父母を名前呼び捨てで呼ぶのか,ということです。
「ママ」「パパ」とか呼んでほしかったです…。