「ツクッテクレテアリガトウ。」

ロボットはそう言って、ペコリとお辞儀をした。


 薮は小躍りしたい気分だった。嬉しくてどうしていいか分からず、彼はショルダーバックに入ったままになっていた薔薇の花を取り出した。


 
「ドライフラワーになっちゃったけど、これ、やるよ。」
 
「アリガトウ。ワタシハウレシイ。」

 


 薮は幸福だった。彼はロボットの調整を続けた。酒も飲めるよう、女性に恋も出来るよう、そして人の心の痛みもわかるよう・・・。


次へ