「かんぱーーい」

 とりあえず、ビールで乾杯した。

 「いやあ、うまいねえ、実にうまい!!」 と、部長。そりゃそうやろう。あんだけ歩けば、ビールも美味いって(汗)「この店は長田君の知ってる店なのかねーーー?」・・・わしは「さっき、そういうたばっかしやん」と心の中で思いつつ「はい」と笑顔で答える。なんせ、今日のスポンサーさまだから、ご機嫌をとっておかねば。

 いきなり入ったので、料理はコースものを頼んだ。ストックが豊富なメニューだからすぐ出来ますとのことだった。

 実は、ふぐ料理店に、足しげく行ってるわけではないので、何が普通なのかは知らんが、最初に来たのは「ふぐの刺し身」である。そう、あの薄い紙のような刺し身だ(−−)

 純朴なふぐみが「え、なに、これ?こんにゃくですか!!」と大声で驚く。

 料理の皿をテーブルに置こうとしている店の人が、凍りついたように動きを止める。

 ウルトラマンかウルトラセブンのエピソードで、時間がとまる話があったが、まさにそんな感じだ(−−)。

 わしらは、恥ずかしくて思わず下を向くのだった(汗)

 しかし、そういえば、こんにゃくの刺し身もこんな感じだ。わしは、ゆっくりと顔を上げて、これはふぐの刺し身であることをふぐみに説明した。ふぐみは、素直に、納得した。そして、自分の無知を恥じ入った。

 ・・・か、かわいい。

 わしは、「あっはっは、ええねん、ええねん。僕も、最初は、なんかわからんかったから」とふぐみに言って慰めた。ふぐみは笑顔をわしに向ける。

 ああ!!

 わしは、わしは・・・!!

 わしの中で何かが弾けた・・・!

 そして、そんなわしを「きっ」とにらむふぐ子。

 風雲をはらみつつ、おケツをクリック。