カウンターに再び戻ってきた老婆ユキ。

 彼女は、スケスケのワンピースに着替えてきている。

 「どう?わたしのカラオケ用の衣装」

 ユキがわしに囁く。

 「あ、いや、とても素敵です」

 他にいいようがないやん(泣)

 そこへ、横から部長が「彼はどうもオクテでいけない」といかにも世に長けた先輩の表情でユキに語りかける。「恥ずかしがりやさんなんやね♪」とユキ。かなり誤解されているようだ。しかし、誤解を解こうとすると却ってえらいことになりそうなので、わしは、そっとしておこうと思うのだった(汗)。

 「素敵だよ、ユキ」

 ぽわーんとした表情でつぶやく部長。

 微笑で応えるユキ。部長とユキの間に、いいようのない空気が流れる。

 「おっさん、おっさん、どういう趣味してんねん(^^;」と、わしは心の中でツッコンだ。

 わしは、なんだか居たたまれなくなって、必死に歌詞カード(歌本)をクリまくるのだった。

 ふぐ子、ふぐえ、ふぐみは、それぞれ、曲を決めているらしい。ウインダムも、ふぐみと楽しそうに話している。つくづくマイペースな連中だ。やはり、こいつらに比べれば、わしがいちばんまともに違いない。

 が、それって、あんまり自慢にならんかったりして(汗)