1998C3z:I can`t hold my girl

 手近なベンチで休憩する。皆、ぜいぜいいっていた。

 そうかね部長は寝ている。

 ふぐ子が、くすくす、と笑う。

 「終りましたね、『艦長』」

 「『艦長』はやめんか」

 わしは、ぜいぜいいいながら、ふぐ子をたしなめる。

 べムラ−ゼふぐえは、そうかね部長の服装を整えている。

 わしは、「大丈夫か」と声をかける。

 ふぐえは、「ひとのことより自分のことを心配してください」と微笑した。

 どっかで聴いたようなセリフだ。

 わしは、「ええ女やで、君」と賞賛した。

 本音だ。

 

 そして・・・

 

 別のベンチでは、ふぐみが、呆けるようにへたり込んでいるウインダムの元に歩み寄っていた。

 ふぐみは、「ありがとう」とつぶやいた。目に涙が溜まっていた。ウインダムがへたりこんだまま、自分のポケットを探って、ハンカチを渡した。

 ふぐみが、ハンカチを受け取って、涙を拭いて・・・笑った。