71.もがみ中枢電算室
そこは、コンピューターの集積した「もがみ」の頭脳とも云える場所である。
後のヤマトの大コンピューター室をスケールダウンしたようなイメージの部屋。
席はひとつしかなく、そこに、伊藤通信担当官が座っている。
沖田の声「(スピーカーから)どうだ?」
伊藤、コンソールを調整しつつ
伊藤「(気難しげに)岩盤の強度にはどうやら問題ありません。行けそうです」
72.もがみ艦橋
艦長席に居る沖田。
沖田「上等だ。データを砲撃管制室に送ってくれ。気象観測データも整理しておくんだ。山南」
砲術長席の山南、振りかえる。
山南「はいっ」
沖田「砲撃管制室で、ミサイルの選択と撃ち込み目標地点の割り出しを急いでくれ」
山南、うなづいて、席を立つ。
じっと前方を見つめる沖田。
艦長席備え付けの通信機に受信音(携帯電話の受信音と大差ない)。
沖田、スピーカーをオンにする。
沖田「艦橋だ」
村田の声「村田です」
沖田「技師副長から報告は受けた。エンジンの修復は完了したそうだな。ご苦労だった」
村田の声「いえ。実は別件で艦長に相談が」
沖田「相談?」
怪訝そうな表情の沖田。