73.もがみ艦長室(つづき)

村田「艦長。我々は提案に来ました」

沖田「・・・」

沖田、村田を見る。

沖田「ナノシステム含有血液の輸血だな、技師長」

佐渡「艦長!」

沖田「徳川にナノシステム含有血液を輸血すれば、確かにあいつの一命はとりとめる可能性がある。そして・・・そのナノシステム含有血液は、村田技師長・・・君の体内にある」

村田「・・・その通りです。私は・・・脳の一部を除いて、バイオノイド・・・有機ロボットですから」

佐渡、油汗。

村田「許可願えませんでしょうか」

沖田、じっと沈黙している。

村田「輸血は2時間で済み、その後15分で、任務に復帰できます。業務に支障はないはずです」

沖田、うつむいて目を閉じる。

佐渡。

村田「それが、最も合理的だと判断します」

3人の間に重い沈黙。

沖田、じっと考え込むようだ・・・。

沖田、顔を上げて、村田を見る。